教員(国語科)の石井克生です。
前回の続きです。
写真をご覧ください。
「いわき市暮らしの伝承郷」にあるものです。
専門的には、このような形象のものを「双体道祖神」といいます。
これは有形、すなわち形のある文化財です。
もっと専門的に追究しますと、
「文化財」の定義、とりわけ「~財」のそれから始めなければならないのですが・・・
まぁ、それはちょっと置いておきます。
写真の双体道祖神は「旅の神」「耳や足の病に効く神」などとされています。
「むかしはこういうものに祈ったんだねぇ」
たしかに「むかし」のことかもしれませんね。
しかし、ちょっと考えてみましょう。
朝のテレビニュースでは星座占いを放送しています。
多くの雑誌にも星座占いが掲載されています。
あれはそれをみる人が少なからずいるから、
すなわち需要があるからなのです。
なにかを祈る・信じる気持ちと「かたち」は異なるけれども、
どうやら人はそれをせずにはいられないようです。
そこに各国の文化・地域の文化・個人の文化の差異があらわれます。
それが広義の文化研究というものなのです。
新聞委員会顧問 石井克生