自然界の多数派と少数派

周りの自然は、緑一色。

夏が終わったというのにまだ続くこの暑さで、浮かれたグリーンの群衆は騒ぎ続ける。
 
そんな狂ったようなグリーンの群衆から地味な茶色、黄色、
オレンジの少数派をどうやって探し出せというのだろう。

しかし、少数派たちは必死のアピールをし続けていた。

大木のてっぺんだけにチョロッとだけある紅葉した黄色い葉っぱ、
駐車場で人や自動車に踏みつぶされたイチョウの葉、少しだけあった赤い実、
てっぺんから紅葉している紅葉の葉。

それだけではない、校舎内にコオロギも入ってきた。
不運なコオロギだ、校舎内に入ってしまえばそこは灼熱、空腹地獄だ。
今までにもハエ、トンボ、スズメバチ、ありとあらゆる昆虫類が死んでいる。
いわば、虫の墓場なのだ。こんな墓場のそばには踊り狂うグリーンの群衆である。
とてもではないがこの状態を秋だと言う人はほんの一握りだ。

だが、その一握りの人間にだけでも見てもらおうと、
地味な少数派たちは今日も、勢力を伸ばそうと奮闘している。

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中学1年 T・S